NZクローラーJr.(デプス)は動き出しが悪いというインプレ記事がありますが、羽根のチューニングで改善・解消できます。見た目に反して飛距離はけっこう出るし、それでも着水音は抑えやすく、異質なアピールは他のクローラーベイトと使い分けできます。
NZクローラーJr.(デプス)は重さ1oz
■NZクローラーJr.(デプス)
全長: 96mm
重さ: 1oz
価格: 4,900円(税別)
実測すると1ozより少し重い29.3gです。
NZクローラーJr.のアクション動画
NZクローラーJrは、超デッドスローからスローリトリーブくらいの範囲が良いアクションをします。
ピクピク超デッドスロー
弛ませたラインの重さで超デッドスローが起動しています。(※後述するチューニング済みのもの)
ノタノタするスローリトリーブ
ノタノタアクションはオリジナルNZクローラー同様です。
これより速めに巻いてしまうとバタバタになってイマイチです。
NZクローラーJr.の良いところ悪いところ
よく飛んで着水音ソフト&異質なアピールが良い
見た目は飛ばなそうですが、NZクローラーJrは十分飛距離がでます。着水音はドボンっとならず、比較的ソフトな着水音になりやすいです。つまり、距離が出せるのにソフトな着水音なので、ドーーンと遠くに投げてもプレッシャー掛けづらくて、ハイプレッシャー場では使いやすいです。(※着水時の水音はソフトですが、着水時に羽根がボディから突き出たビスに当たれば強い金属音が出ます)
NZクローラーJrは、ステンレス製の羽根で後部にブレード付き、平べったいボディ形状など、見た目はオリジナルNZクローラーの特徴そのままです。アクション特性についてもオリジナルNZクローラーのそれを継承し、そのアピールは他のクローラーベイトに比べてかなり異質です。
クロールアクションのテンポ(ピッチ)はゆっくりめで、平面ボディの水押しとジョイント部や後部ブレード等から出るノイズの複合要素でアピールします。擬音で例えると、ノタノタ・かちょかちょ・ぽこすかという感じ。ただし、音は控えめです。
フックアイがスイベルになっている(バラし低減効果あり)のもオリジナルNZクローラーと同様です。
初動の悪い個体と良い個体がある!?
「NZクローラーJrは動き出しが悪い…」というインプレ記事があります。扁平ボディで慣性モーメントが大きいことによりゆっくり目のアクションを生むのですが、その事が動き出しの悪さにも一役買っているはずです。
自分のマットクリア(透明なカラー)がそれで、じわっとゆっくり巻き始めるとクロールアクションが起動しませんでした。
ところが、後から購入したもう一つ=クラックルチャートバックは、動き出しだけ少々気を使ってやる必要がありますが、水面ピクピクができて超デッドスローは良好でした。最初の評判を受けて改善処置が取られたのかもしれません(?)。もしくは、若干の個体差(羽根と金具部の個体差)があるのかもしれません。
動き良い個体も、オカッパリで立ち位置が高くなるほど悪化する
オカッパリで釣りをしていると、足場が少し高い所からキャストすることも少なくないと思います。
既述のようにクラックルチャートバックの動き出しはさほど悪くないのですが、それでも足場が少し高いところから使うと巻き始めでノーアクションになりやすいです。よって、マットクリアと同様にチューンしてやると、高い足場からも水面ピクピクしやすくなりました。
足場が高くないところから普通に使った時、チューニング前(動き出し良いクラックルチャートバック)とチューニング後(マットクリア)でどっちの動きが良いかというと、チューニングしたマットクリアのほうがより秀逸なわけですから、結論としてオカッパリならチューニングすべきだと思います。
逆さま着水はメリットあり?いやデメリットでもある
NZクローラーJrは、逆さまに着水(裏返しに着水)することがあります。その時、そのままデッドスローで引くと逆さまを維持してノーアクションになりやすく、軽くしゃくってやらないとダメです。
オリジナルNZクローラーでも言われていたことですが、クルッと回転して逆さまから元に戻る時がバイトチャンスです。というとメリットのようですが、逆さまの時にバイトしてしまったらフックアップしないのは自明の理。すなわち、メリットでもデメリットでもあるわけです。
逆さまに着水するのはしょうがないとして、他のハネモノと同じようにラインテンションが掛かったらシャクらなくてもクルッと回転してほしいです。でないと、個人的には気持ち悪いです笑。
この件があるので、逆さまに着水したことが分かりやすいカラー(背中と腹のカラーがハッキリ違う)のほうが扱いやすいと思います。
NZクローラーJrのチューニングについて
動きの悪さはチューニングで改善・解消できる
DEPSのステンレス羽根は調整が比較的容易で、好みのアクションがでるようにチューンしやすいです。オリジナルのNZクローラーを使い込んでいる方ならご存知でしょう。
NZクローラーJrの羽根も、手曲げで開いたり捻ったり(戻したり)が割と楽にできます。
というわけで、動き出しの悪いマットクリアの羽根を調整したところ、ジワッとテンションかけるだけで起動するようになり、秀逸なレベルになりました。水面ピクピクも超デッドスローも良好です。
動き出しを良くするチューニング方法
羽根の曲げ具合については下記の写真を参考にしてください。羽根を開き、ひねってます。やるのであれば、フィールドでアクションをみつつ自分好みに調整してください。
追記)動き出しを良くするチューニング方法(2)
羽根を曲げずに動き出しを改善する方法があります。使いやすい精密ドライバーがあればこちらのほうが簡単です。気に入らなければ元通りに戻せます。
写真のネジを1mm~1.5mm程度緩めてやります。そうすると羽根がガタガタするようになります。このガタつきがアクション起動を改善し、軽くテンションがかかっただけでピクピク動き出すようになります。(このルアーであえて水面ピクピクをやりたい場合もこれでOKです)
アクション起動はよくなるものの、アクション全体に影響があるので緩め具合を試行錯誤して好みの動きを探してください。
羽根にウエイトを貼るチューンはむしろ逆効果
大きい羽根モノは、クロールピッチを変える(クロールのピッチを遅くする)ために羽根にウエイトを貼るチューニングをすることがあります。自分もよくやります。
しかし、NZクローラーJrについては羽根にウエイトを貼らないほうがよいと思います。もともとクロールピッチがゆっくりなこともありますが、それよりも、羽根にウエイトを貼ると慣性モーメントが大きくなり動き出しが悪くなる方向に働きます。
逆さま着水が気になる場合のチューニング。フックは交換
逆さま着水対策のチューニングです。フロントフックを重くしてやることで逆さま着水しづらくなり、もし逆さま着水してもテンション掛かるだけで回転しやすくなります。とはいえ、NZクローラーJrは前後のフック間隔が狭いので、大きめフックに交換すると問題が出てしまいます。
自分は下のようなやり方をしました。
フロントフックを大きめでやや重いクアトロフック(#2)に変更しています。しかし、そうすることで前後のフックが絡んでしまうので、リアフックを一回り小さくしてスプリットリングで動きを抑制して絡みを防止しました。
他の方法としては、フック変更はしないでフックに板重りを巻きつける方法もあります。
羽根の初期不良・不具合について
実は、下記ツイートのような初期不良・不具合がありました。
NZクローラーJrの初期不良?動画
羽根の根元曲げて調整してなんとかなるかもですが、結果として左右バランスおかしくなるかもね(奥村さんあかんです… pic.twitter.com/JGd6yS1qVf
— つかじー@デカハネGP開催中!! (@tukajii) October 9, 2019
羽根の根元と金具が干渉していました。ここまでひどくないにしても、同じような軽微な不具合もありそうです。もし動きがおかしい場合は、羽根の根本のクリアランスをチェックしてみてください。
不具合があれば、DEPSに送ればおそらく交換してくれると思います。自分の場合、ラジオペンチで無理やり曲げて加工し、なんとか問題ないレベルに修正できました。
NZクローラーJrの交換用ウイングセット(税抜1,000円)も、DEPSオンラインストアで購入できます。
「デカハネGP」におけるNZクローラーJrの実績
デカハネGP(2020年)では暫定4位
NZクローラーJrはデカハネGPで今4位です。
1位アベンタクローラー、2位ダッジ、3位デカダッジ。上位3つに比べると、NZクローラーJrはリリースからまだ1年経っておらず販売数的に劣っているであろう中、大健闘だと思います。正直言って、こんなに上位にくるとは思いませんでした。
アングリングバスにも出てます笑↓
黒田プロのサイン入り・NZクローラーJr.(和ナマズ)
デカハネGPでは「黒田プロのサイン入り・NZクローラーJr(和ナマズ)」が賞品になっています。デカハネGPは今からでも参加できますので、欲しい方は狙ってください笑。
人気?通販在庫なし。入荷待ち
個人的におすすめしたいところですけれど、主な通販サイトをチェックしましたが、NZクローラーJrの在庫はないようでした(2020/6/18時点)。
発売されたのは去年の秋だったのですが、いまだに入手困難とは思いませんでした。メルカリやヤフオクでは、まあまあいい値段で取引されてます。
NZクローラーJr 参考動画
アングリングバス公式チャンネル/安江勇斗さんのNZクローラーJr実釣動画です。
NZクローラーJr.開発秘話(デプスニュース)。奥村さんのNZクローラーJrプロモーション動画です。
オリジナルNZクローラーについて
オリジナルNZクローラーは、重量がJrの3倍(3oz)あるので、使用感の差が大きいです。そのデカい平面ボディから出る波動とその存在感・シルエットの大きさは、デカ羽根モノの中でも特別なものです。3ozですから、専用のそれなりのタックルが必要になります。
アクションはそれほど強くはないノタノタした動きですが、ボディのデカさと相まって、アピールはかなり強いと思います。
(左:NZクローラー、右:NZクローラーJr)
個人的には、オリジナルとJrの中間が欲しいです笑。
NZクローラーJr.インプレのまとめ
オリジナルNZクローラーは3ozと重いので投げ続けると疲れますが、Jrは一般アングラーにも使いやすい重量で、それでも飛距離は出るし着水音は抑えやすく扱いやすいです。
アクション起動が悪かったとしても、手で羽根を曲げてチューニングしてやれば解消可能。使える巻き速度の幅は狭めですが、このルアーが気持ちよく動くツボで使えば良いと思います。NZクローラーJrの異質なアピールはユニークで、他のハネモノと使い分けができます。
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