長年、雄蛇ヶ池のひどいアオコの中で釣りをしてきて、アオコにも様々な状況がありました。すべては説明しきれませんが、基本的なアオコについての考え方のまとめです。
「アオコがあるから釣れない」という間違い
アオコはバス釣りにとってマイナスに受け取られがちだと思います。
アオコは何ものか
ここで言うアオコは、藍藻類(植物プランクトン)の大量発生で水が緑色になることです。下はアオコの顕微鏡写真です(目盛り1つが100ミクロン)。
(雄蛇ヶ池のアオコ顕微鏡写真/よしさん撮影)
写真に見えるほとんどがアオコプランクトン(ミクロキスティス属やアナベナ属)です。
こいつらは光合成をすれば酸素を放出します。「アオコがあるから酸欠になる」とは限りません。また、アオコがでるとバスの活性下がるとか、アオコがあると釣れないという話を聞きますが、そんなにシンプルじゃないです。
どんなアオコ?アオコ以外の条件?
アオコは、バス釣りにマイナスになる場合もあれば、プラスになるときもあります。
どんなアオコなのかをよく見極めることはもちろん、アオコ以外の条件を見極めることも重要だと思います。
アオコの基本と状態変化
藍藻類によるアオコ現象にはいろいろな状態があります。以下は分かりやすい具体例です。
アオコは水温上昇とともに増殖
アオコは、夏に向けて水温上昇とともに活動が活発化し増殖していきます。写真は初夏(2013年7月)の雄蛇ヶ池。
(アオコ指標レベル3程度)
健全なアオコプランクトンは、晴天の昼間は表層に浮上し(運動能力はないが、ガス胞により浮上)日が落ちるにつれ沈下します。浮上している時ならば、下のレンジにアオコは少ないと思われます。
同じ日の裏堰堤です↓
アイソレートしてる杭との間に、横方向の鉄パイプがうっすらと見えて透明度50cmくらいです。アオコが浮上している時間帯なので、おそらく、その下のレンジにはアオコが少ないはずです。
このようなアオコならば、プレッシャーを下げる濁りとなりプラス要素になる場合があります。また、アオコの光合成は水中の溶存酸素を増やす方向と考えられます。
アオコは膜状に溜りやがてマット化し腐敗
浮上したアオコが、風で吹き寄せられてワンドの奥などに厚く溜ってしまうことがよくあります。
(風で吹き寄せられたアオコ/レベル4~5程度)
水面を広く覆ってしまうと、水に酸素が溶け込むのを遮断し水中は低酸素化すると思われます。(光をさえぎるので水中プランクトンの光合成による酸素排出も低下)
膜がぶ厚いほどその下はシェードになります。シェードは良いとしても低酸素化はマイナス要素です。しかし、分厚い膜の下の水に流れがある場合や、雨などで岸際からフレッシュな水が注ぎ込んでいる例外があり、そういうシェードは好条件です。
さらに、吹き寄せられたものがさらに濃縮されてしまうと、マット状に固まります。
(濃縮されシマ模様が見える/レベル5~6)
濃縮されたマットの表面はシマ模様になります。これがやがてスカム化し、腐敗します。
アオコマットから再び溶け出したアオコ
一度マット化したアオコが、風や雨などによって再び細かく分離して拡散することがよくあります(下の写真)。
もはやこれは健全なプランクトンではなく、汚物の塊にすぎないと思われます。活動しているアオコプランクトンに比べると、こちらのアオコの粒はすごく大きいはずです。
これらの複合条件
現実はこれらの状況の複合になるので、もっと複雑なんだろうと思います。
繰り返しになりますが、どんなアオコなのかをよく観察するべきです。さらに、アオコ以外の条件も含めて良し悪しを判断すべきです。
アオコのまとめ
アオコについて個人的な考え方のまとめです。
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健全なアオコプランクトンが適度に浮遊し、限度を超えなければプレッシャーを下げる濁りになる。光合成すれば酸素を出す。
太陽の光を求めてアオコプランクトンは表層に浮上する。
風によりアオコがマット状に溜まれば、その下はシェードになる。
広範囲に膜を張ったりマット化すれば、空気と水面とを遮断して水中の貧酸素化を起こす。しかし、マットの下に水の流れがあれば例外。
アオコマットは腐敗する。
一度マット化したアオコから再び溶け出したアオコは、悪いアオコであり汚物である(死んだプランクトンの塊)。
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アオコが作り出す毒素については下記を参照ください。
何か参考になれば幸いです。
(言い忘れましたが、雄蛇ヶ池のアオコの場合、ソウギョの緑色のウ○コが溶けたものが混入していると思います笑)
コメント
最初の写真、ミクロキスティスよりもアナベナの数にビビりました(笑)夏場は相当ジェオスミンが高濃度化してそうですね。おじゃがは農業用水だから関係ないですが…お魚にも関係ない話です(笑)
最後の写真、マット状のものが崩れたものについては、つかじーさんがおっしゃるとおり腐敗したプランクトンが凝集した感じだと思います。
そこそこのアオコはまぁ許容できるにしても、アオコマット+ソウギョのウ◯コとなると、やはり水辺の景観的としてイマイチですね…(^^;;
みかんさん、どうもです~
濃いコメントありがとうございます(^^)。
ジェオスミン=カビ臭ですか、マット化するまでいくと臭いも酷いですねw。ソウギョのウ●コの臭いと混じってますからね~www
ここ数年はレンギョが登場してアオコの様子がちょっと変わってきてます……。
すごく勉強になります
よく観察が大事ですね みかんさん難しいですわぁ 用語がさっぱりです
最近レンギョもふえてるんですか?
RINZOさん、どうもです~
みかんさんはたしか生物系の専攻だったと思うので、
詳しいのはそのせいです(^^)
レンギョはスレで掛かったり、死魚だったり、いつのまにか見る頻度が増えました。不思議ですね~笑
見てるだけでも、通ってた頃のあの臭いを思い出して気分悪くなってきました汗
縞模様になってるアオコは躊躇して攻めませんでしたが、それ以外はカバーと見なして攻めました。実際、何本も釣ったことありますね。スピナベでも、アオコを盛り上がらせながらもんどりうってバイトしてきたこともあります。
Tackさん、どうもです~
思い出しましたか笑 たまにはどうですか?笑
アオコカバーですね(^^)