近年になり、アオコ(藍藻類)が生産する有毒物質に関する研究が進み、毒性が明らかになってきました。下の写真はその1種、ミクロキスティス・エルギノーザ 。
(雄蛇ヶ池にて採取検鏡し撮影/2007年8月)
アオコが生産する毒素は強力
国立環境研究所の研究情報誌によれば、ミクロキスティス・エルギノーザが作りだす毒はミクロシスチンという肝臓毒で、数値上は青酸カリよりも強力です。
■ 毒の強さ LD50 (μg/kg)
フグ毒のテトロドトキシン: 8
ミクロシスチン-LR: 50
青酸カリ: 2500
落水してアオコを飲むリスク
この毒を人が摂取するケースとしては、ボートからの落水です。湖水を飲んだあとに何も自覚症状がなかったとしても、ミクロシスチンは肝臓に蓄積されるので体に悪いことは間違いないでしょう。
あとは、食物連鎖で生体濃縮され人の口に入るケース。雄蛇ヶ池の生物を食べる人はほぼいないとは思いますが…。
フグ毒のLD50値が”8”である意味は、体重1Kgあたり8μg(マイクログラム)を投与すると、投与した中の50%が死亡するということです。ミクロシスチンで体重100kgの人にあてはめると、5000μg=5mgで死ぬ確率1/2ということになります。
ミクロシスチンによる害と判定された具体例
2007年に琵琶湖で飼育されていたアイガモ22羽が死亡しその肝臓から高濃度のミクロシスチンが検出されたことがあります。海外では人が死亡した例が実在します。
ミクロシスチンは致死量に達しない場合でも体内(肝臓)に蓄積され、発癌性も指摘されています。
アメリカ・オハイオ州の事例(国際医学情報センター)
アオコの有毒物質は研究途上
今はアオコの有毒物質に関する研究が進みつつある状況であり、まだ研究途上のようです。有毒物質にはまだ未知の物質があると言われ、毒性の評価とともに含有量の測定方法確立などが待たれます。
国立環境研究所の研究情報誌(詳しい情報が載っています)
雄蛇ヶ池のアオコ調査
http://ojyaga.com/col_20070816_aoko.htm
http://ojyaga.com/col_20080922_aoko.htm
コメント
アオコが作る毒って、こんなに毒性高いんですね(^^;; 勉強になります!
おじゃがのオーバーフローした水は、直接水道原水にはならないでしょうから、その辺は影響少なそうですが、オーバーフローで水路に入った水が、ポンプアップで田んぼとかに入っていた場合、農作物とかに影響あるんじゃないか…というのが心配になりました(^^;;
あと、間違ってもおじゃがの水を直接飲まないことですね…ボートで落水して、水を飲んでしまう、なんてことも考えられますが(; ̄ェ ̄)
みかんさん、コメントありがとうございます!
(さっき、ちょっと追記しました)
そうですね、万が一落水して飲んでしまったときは、指つっこんで吐きましょう^^;
農作物については、
作物の種類によってミクロシスチンをどの程度吸収するか、試験が行われているようです。私が見た試験結果資料では、たしか農作物への吸収はあまりされないとありました。
恐ろしい物質が身近かにあるんですね。以前のレポートも読ませて頂いていたんで改めて勉強になりました。
昨日見た福島沖の魚の調査結果然り、食物連鎖からの摂取は本当に分からないので防ぎきれませんよね。
こうゆうアオコが出るのは仕方ないという風潮を一蹴しなければならないですよね。
怖い(汗)海外では、毒性アオコの発生で遊泳禁止とかあるそうですね。
口に入ったら…っていうのもありますね。ラインは、歯で切らない事も大切ですね。(って自分に言い聞かせます)
ゴルビーさん、どうもです(^^)
釣りするだけならあまり問題ないですよね。
むやみに恐れる必要はないのですが、ちょっと気になることですね、とくにオジャガは。
diskblackさん、どうもです!
そうですね、わたしは歯で切ることはさけてます。まあそれで口に入る量はしれてると思いますが、気分悪いですからね。。
おじゃがで二回落水したことあるので恐ろしいことです、。幸い口に入らなかったですが。。
Tackさん、どうもです!
2回も落ちたのね(^_^;)
以前、高滝湖の釣りトーナメントで、優勝者を胴上げならぬ、アオコ現象の湖水へ抛り込んでいた記事を見たことがあります。親愛の表現かと思いますが、慎みたいことです。
よしさん
いつもお世話さまです。
それはありそうな話ですね^^;
飲まなけりゃOKとはいえ、やめるべきですね。